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オリジナル小説

第4話 聖域の崩壊

横濱の中華街に近い裏路地に、古い中華食堂があった。 派手な看板もない。観光客も、地元の不良も、港湾連合の下っ端も。 腹が減れば、誰でも入る。 そして――この店には、ひとつだけ暗黙のルールがあった。 「店の中では、喧嘩をしない」 誰が決めたわけでもない。だが、そのルールは長い間、守られてきた。 それが、この街の“緩衝地帯”だった。 夜。 店内には、油の匂いと、ラーメンの湯気が漂っている。 カウンター […]