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フラッシュバック

第3話 境界線の名前

港の倉庫街に、夜が沈んでいた。 潮の匂いと、鉄の錆びた臭いが混じる空気の中で、男たちは地面に転がっている。 誰一人、立ち上がろうとしなかった。 鳴海 廻は、その光景を数秒だけ見つめてから、視線を外した。 計算通りだった。だが、見ていられなかった。 「……終わりです」 淡々とした声だった。まるで、話し合いが一区切りついたかのように。 少し離れた場所で、久我 鉄平が拳を開く。 皮膚が裂け、関節が赤く腫 […]